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当研究会からのごあいさつ

 牛臨床寄生虫研究会は、「牛寄生虫病対策研究会」を母体とし、2002年に発足いたしました。すでに15年目を迎え、九州、北海道を中心として毎年1回の定期研究集会を開催するとともに、会誌の発行や牛を中心とした産業動物の寄生虫病に関する情報の提供、駆虫の必要性などの啓蒙活動を行っています。
この研究会の特色は、臨床現場で実際に問題となっている課題にきちんと向き合うために、寄生虫感染の症例報告、研究成果の発表を臨床獣医師の皆さまに発表していただくことを最優先にしている点です。さらに、それらの現象の背景にどのようなメカニズムが存在するのかを明らかにするための、大学や研究機関の研究者の皆様の参加が充実しており、臨床現場に可能な限り正確な解決方法を提供し続けている点です。
 研究集会では、臨床現場での経験をもとにした発表や、大学及び研究機関で行われた寄生虫と宿主との相互関係に関する基礎及び応用的な研究成果も適宜発表しており、寄生虫病の制御とその生産性への効果を考える上で欠くことのできない情報提供や、ディスカッションの場として大切な役割を果たしています。これまでに多くの研究成果が公表され、内部・外部寄生虫が反芻動物の生産性に大きな弊害を及ぼしていることがはっきりしてきました。また、臨床現場に即した寄生虫病制御方法も徐々に確立されており、さらなる改善のための検討が続いています。
しかしながら、畜産現場においては、まだ、生産者や獣医師において寄生虫の被害が十分に認知されたとはいえない状況です。特に内部寄 生虫に関しては、臨床症状やその被害を直接確認することが一般に難しいことが多く、その重要性が十分に理解されているとはいえません。さらに近年では、吸虫や住血原虫の治療に欠かせない動物用薬剤の入手困難が顕在化しており、牛を中心とした産業動物の寄生虫対策はより困難となり、新たな局面を迎えています。
 このような現状に対応するために、当研究会の役割は益々重要となると感じています。臨床家の皆様や畜産の現場での衛生指導に携わる皆様の間での意見交換の場として、また新たな課題を解決するための研究のスタートの場として当研究会をご活用いただき、ともに発展させていただければ望外の喜びです。

牛臨床寄生虫研究会
(前)会長 堀井 洋一郎

 

最新情報&更新情報

2023.09.23
 2023年度牛臨床寄生虫研究会研究集会開催案内を掲載しました。

2022.09.08
 2022年度牛臨床寄生虫研究会・北海道研究集会開催のご案内を掲載しました。